アスワンハイダム 

アスワンの南側にアスワン旧ダムとアスワンハイダムの2つのダムがある。古代エジプト時代に用水路やダムもたくさん建設されたが、当時は大きなダムを造る技術が無かったので6月〜9月頃にナイル川が氾濫すると多くの場所は完全に沈んでいた。人口の増加に対して農業を拡大する必要が有ったので、1901年にエジプト政府はナイル川の南に当時世界最大のアスワン旧ダムを造った。

 

20世紀の初め頃になると更に人口が増加したので、旧ダムよりもっと大きなダムを造る必要になり、ナセル大統領時代、旧ダムの5km南に長さ3700m、高さ111mのハイダムが造られた。このダムに水が貯まってできたのが世界最大の人造湖、ナセル湖である。ハイダムにはコンクリートと花崗岩で造られ24個の水門が有り、水力発電所ではエジプトで使用する全電力の30%を供給している。

 

 

これの何処がダムなのか?と言いたくなるような所で、大きな川に造られた道路としか見えない。

 

近くにダムの構造を示すパネルが有ったので確認したが、日本でよく見るアーチ式とは異なるのと、余りにも巨大過ぎてその全体が見渡せない事が分かった。

 

 

ダムの上には軍服を着た監視の兵隊が立っている。ダムの写真撮影は禁止されているとガイドブックなどには書かれていたが、全くその様な事はなかった。エジプトまで来てわざわざ見に来るような所ではない。

 

 

ハイダムを出発して石切場に向かう途中、アスワン旧ダムの上を通った。旧ダムは橋として使われていると聞いたが、水門が確認できるだけダムらしく思える。

 

 

旧ダムを通り過ぎた頃、左手にイシス神殿が見えてきた。この神殿も湖底に沈むところだったので今の場所に移設されたそうだ。ヌビア地方では他にも14箇所の神殿が移設されている。これらの見学はナセル湖クルーズの観光船で巡る別のコースが有るそうだ。