アグラーの駅

日も沈み周囲はすっかり暗くなってしまった。周囲には街灯など無く、民家の灯りや、商店街のネオンと言ったものは一切存在しない。ホームも薄暗く、至る所に人が寝ている。危なく赤ちゃんを踏みつけそうになった。
ホームに列車が入って来ると、ホームに待機した屋台(車輪が四つ付いたリヤカー)の物売(飲食物が中心)りが一気に活気づき、列車の乗客も列車の窓から手を出して買い求める人やホームに降りて買う人などが忙しく行き交う。ちょうど通勤ラッシュと夕食時間が重なってこんな賑やかな場面を目にすることが出来たのだろう。列車は満員で乗車口の手摺につかまったままで乗車している人がいたりする。昼間見た貧民街で暮らす住人とは、また一つ階層の異なる人々であろうか。ごく一般的な労働者階層に見えた。

 

 

ポータは大きなスーツケースを2個も頭上に載せて器用に運ぶ。

 


ベナレスの駅


5:59列車はベナレス駅に到着した。狭い通路に並べた荷物を急いでホームに降しポータに渡す。早朝のホームも多くの人達で活気に満ちている。通勤時間帯には少し早いと思うのだが、通勤圏が広がっているのだろうか。

 

ポータは大きなトランクを二段に積んで頭に乗せて運ぶ。14個のトランクは7人のポータの頭に乗せられ一列になってバスまで行進する。ちょっと絵になる風景であり写真に収めた。