オドゥ山統一展望台 

 
東大門市場を後に、ソウル市内の北西に約20q行った臨津江(イムジンガン)と漢江(ハンガン)の交差する辺りにあるオドゥ山統一展望台に向かった。

 

 
本格的な雨になり、こんな悪天候の時に展望台に行ったところで何も見えるはずは無いのだが、ツアーコースに入っているので行かなければならない。漢江の沿線には有針鉄線が張り巡らされていた。ソウル市内から約1時間で統一展望台に到着する。

 

 
ここから38度線迄はわずか10q余りの所である。天気の良い日には展望台に備え付けの双眼鏡を覗くと北朝鮮が見えると言う。あいにくの雨で数百mの視界であるが、テレビのモニターにここから見える北朝鮮の様子が放映されていた。北朝鮮側もここから見られていることを意識して、その一帯にだけにモデルハウスが建てられ、生活の豊かさをアピールしていると言う。その映像を見ると、周囲の環境とはかけ離れた光景であり、現実にはかなり貧しい生活をしておりそれを韓国側に悟られ無い為の偽装に過ぎないことは直ぐに分かる。つい最近までは、拡声器の大きな音量で、北朝鮮の宣伝や歌などがうるさいくらいに響き渡っていたと言う。

 

 
イムジンガンの川幅は一番狭い所では460mしかないので泳いで渡れる距離に有ると言う。展望台の展示室には北朝鮮の生活用品や衣服等が置かれていたが、日本の40〜50年前の生活状況の様な気がした。

 

 
近年、南北朝統一の動きがうかがえるニュースも報道されたが、こんな現状を見るとその実現には未だ長い年月を要するに違いないと感じた。