クマリの館

クマリの館への入り口

 

小さな中庭を四角に取り囲んで3階建ての建物が配置されている。壁は全て赤煉瓦作りで、手の込んだ彫刻の施された木製の窓枠が外にはみ出すようにはめ込まれているのが特徴である。雨ざらしになる窓枠にこんな立派な彫刻を施すのはかなり贅沢な暮らしの出来る人達なので在ろうか。そればかりか、建物の基礎となる部分にはレリーフのレンガが帯状にはめ込まれているという凝りようである。
 この中央の窓から生き神様のクマリが顔を出してくれると言うのでしばらく待った。しかし、なかなか現れないので、しびれを切らして現地ガイドが大きな声で話しかけると、中から付き人らしき者が顔を出してもうしばらく待つようにと返事が返ってきた。中庭の中央には賽銭箱が設けられていて、適当な金額の拝観料を入れるようになっている。 クマリが顔を出しても写真撮影はダメとの注意があった。中央の窓から目を逸らさずにいると、ほんの一瞬だけクマリが顔を出してくれた。目に隈取りを施した神秘的な容貌で在ったが、本で見たクマリより年上の様に思い現地ガイドに聞いてみたら、現在12歳で来年には替わるだろうと言っていた。
 クマリに選ばれた女性は一生独身で過ごさなければならないとも聞いた。生活費の保証はされているそうだが選ばれたことは名誉であろうが、果たして本人にとって幸せな事なのだろうか考えさせられる。

 

この中央の窓からクマリが顔を出した。