海印寺 

 
あいにく雨が降り出した。ここから先は大きな車での立ち入りが禁止されており、もっと小さなワゴン車にすし詰め状態になって乗り込み山門の近くまで行くことになった。このワゴン車代はツアー料金には含まれておらず、一人3,000ウォンを支払はされた。15分程で山門の駐車場に到着し、今回は傘をさしての参拝となった。

 

 
最初の山門をくぐると境内の鐘突き堂に釣り鐘と太鼓が並べて吊り下げられていた。

 

 

 

 
太鼓には綺麗な色彩で龍の絵が描かれている。柱に施された模様の色彩も大変美しい。釣り鐘と太鼓との関係に関してはガイドに聞くのを忘れた。

 

 

 

 

 

 
奥へと進むと幾つもの御堂が有るのだが、韓国の御堂の屋根の広がりは日本や中国のものと違っていることに気が付いた。初めは日本と同じ様な角度で下がっているのだが、半ばを過ぎる辺りから少しの角度で上方に湾曲して行く。

 

 
その角度が中国のような極端な角度ではなく、自然な美しい線を描いている。

 

 
軒の構成や軒先に用いられている瓦の形状も韓国特有の美しさを持っていた。

 

 

 

 

 

 
更に奥に進むと、八万大蔵経と書かれた門をくぐり校倉造りの八万大蔵経板殿に至る。

 

 
この建物の中には高麗高宗の時、外敵であった元のを侵入を防ぐために、1236年から16年間を費やして彫らせた81,258枚の大経典が保管さている。今でも一枚も欠けることなく全てが残っている。木版に残されている文字はおよそ5,200万字。版木には厳選された白樺の木が使われている。3年間海水に浸した後切断して、更に塩水で煮込んでから日陰で乾燥する事で、木版は腐ったり虫が付いたりしない。750年経った今でも当時のままを保っている。完成度の高さのみならず、木版印刷の歴史を探る上で貴重な教典として認められ世界文化遺産に指定されている。また、朝鮮初期の木造建物で温度と湿度の調節を完璧にできるように工夫されている事も素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
この境内にも割と大きな多宝塔が有ったが、先に訪れた仏国寺の多宝塔に比べれば見劣りのするものであった。