高昌故城 

 
冷房の効いたバスを降りるとかなり暑い。日差しも強くやっとシルクロードの真夏を感じる事が出来た。高昌故城は高昌国王の麹文泰(きくぶんたい)が築いた世界で一番大きな土で作られた都の跡である。周囲5kmを取り囲む外壁の中には内城と宮城が置かれていた。ここはかなり人気が有り多くの観光客で賑わっていた。入り口にはカラフルな民族衣装を売る店が並んでいる。

 

 
そこを通り過ぎるといきなり殺伐とした大地が広がった。

 

 

 

 
ロバ車に乗って観光するのだがその順番待の行列が出来ている。

 

 
少し時間が掛かりそうなので、少し先に見える小高い所に登ってみる事にした。視界を遮るものが無くなりここの全景が目に入った。

 

 
周囲は朽ち果てた泥の壁が取り囲んでいる。特に何が有ると言うわけではないが、この殺伐とした風景が私には新鮮に感じられため息が出た。数枚の写真を撮ってからロバ車待ちの列に並んだ。

 

 
一台には9人程しか乗れないので2台に分かれて乗り込んだ。

 

 
ロバ車の走る道は深い輪だちが出来ておりこれに沿って走る。ゆっくり走っている時は問題ないが、速度を上げると途端に砂埃が舞い上がる。

 

 
私は最初のロバ車に乗ったが、続いて出発したロバ車がやけに速度を上げて私たちのロバ車を追い越していった。写真を撮りながら乗っている私にとってはゆっくり走ってもらった方がカメラのブレも少なく都合がよいので御者にゆっくり走るように告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 
ロバ車は外壁で囲まれた中心部まで来て停車した。ここが観光の中心となる所で少し歩いて回る事になった。

 

 

 

 
見ると言っても何もない朽ち果てた高昌故城の残骸だけで少し壁の形が残っている所はほとんどが復元されたもの。

 

 

 

 
昔仏像が置かれていたと思われる塔にはかすかに光背の描かれた後が残っていた。

 

 

 

 
奇妙な円盤状の建物もそのほとんどが観光用に復元されたものである。多くの人々が遙か遠くのこんな所までわざわざ観光に来るのは、遙か昔に玄奘三蔵の訪れた足跡を訪ねてみたいとの思いからだろう。ここも欧米の観光客はほとんどいない。彼らの観光する場所はもっと煌びやかな、いかにも観光地と言う所が多い。欧米人は日中韓の国民性とは根本的に異なる。

 

 
帰りのロバ車に乗る為に戻ると、物売りの小さな子供達が私たちを取り囲み、鈴とか刺繍入りのカバンとかを買ってくれとせがんできた。

 

 
無視してロバ車に乗り走り出すと、売り子もロバ車に捕まりながら走って付いてくる。そのバイタリティーに負けて鈴を20個も買っていた人がいた。