第三回廊 

 
第二回廊は周回せず直ぐに出て第三回廊へ登る南階段の前に出た。下から見上げるわずか37段の階段はまるで断崖絶壁の様に垂直に上るかの如く急勾配で高い。

 

 
階段の幅は15cmも無いくらいで登るのを躊躇した。この階段の事はガイドブックやインターネットで調べた旅行記にも紹介が有り、有る程度は覚悟していたのたが、いざ目の前にするとあまりにものすごさに足がすくんでしまう。

 

 
しかし、ここ迄来てアンコール・ワットの頂点に到達せずしては悔いが残るし、この階段は今の体力有る内に挑戦するしか無いと考え気を引き締めて一番最初に登る事にした。

 

 
階段を這う様にして一気に登るとわずか2分で登り切った。しかし、下を眺めると良くこんな階段を登ったと感心すると共に、降りる時の不安を感じた。何故ここ迄人が登るのを拒絶するような造りにする必要が有ったのか、神に選ばれた者しか登れないようにしたのか、そんな疑問を抱かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
この回廊からの眺めは異質なものがある。それは単に高い所から眺めがよいと言うものでは無く、中央を見上げると天空に突き出る中央塔、見下ろせば吸い込まれそうな周囲を取り巻く連子状窓壁の第二回廊、更に遠くには寺院全体を取り囲む緑の森林と、天から地に至る迄の全体が見渡せる。

 

 

 

 


 

 

 
ここは単に一番高いだけの場所ではなく、神との接点を求めて造られた場所だと感じずには居られない。

 

 
十字回廊迄進んで中央塔を眺めると周壁には余白を余す事なくデヴァター像やその他のレリーフがデザインされている。

 

 

 

 

 

 
七つの頭(左側の一つは折れて無い)を持つナーガを光背にした仏陀座像も見られる。

 

 

 

 
回廊に沿って一周すると至る所に綺麗なデヴァター像のレリーフが見られた。