考古学博物館の1階へご案内 

ロゼッタ・ストーン
まず入って直ぐの所に置かれていたのがロゼッタ・ストーンである。ナポレオンがエジプト遠征の時偶然にも発見したものであるが、これのお陰で象形文字が解読出来るようになった重要な石版である。本物は大英博物館に保管されておりここにあるのは複製である。

 

 
ナルメル王のパレット表面
ナルメル王は5200年ほど前にエジプトを始めて統一し、王朝時代を開き最古の都であるメンフィスを作ったエジプト歴史上で最も有名な王の1人。
 このパレットにはエジプト統一の事が描かれている。表面には、南エジプトの冠を被って、あご付けヒゲを付けて、スカートをはいて、右手に棒を持って、左手で敵の髪の毛を握っている王の姿が描かれている。王の後ろに小さく描かれているのは召し使いで、王の履くサンダルと香水の入った容器を持っている。
 王の顔の近くには守り神である隼が6本のパピルスの上に立っている。パピルスの前には敵の頭が置いてあり、鼻から糸が出てそれを隼が握っている。1本のパピルスは1,000と言う数字を現しているので、これは守り神が王と一緒に統一の時の戦いに参加して6,000人の敵を捕虜にしたことを現している。
 王の名前は上端の真ん中に描かれた宮殿の門の中に2つの文字(魚、道具のノミ)で、「運河を掘った」と言う意味で書かれている。この当時はまだカルトゥーシュと言う表現はされなかった。

 

ナルメル王のパレット裏面
反対側は、北エジプトの冠を被り、名前は2つの文字で書かれている。神官達は戦争の旗を持って立ち並んでいる。敵の死体は横になった状態で、足の間に切られた頭が置かれて描かれている。
 真ん中には首が長くライオンの身体をした想像上の生き物が大きく描かれている。この動物の首を神官達が縛っている。一番下には水牛の神様が敵を踏みつけている。

 

ジェセル王座像
ジェセル王の石灰岩像。階段式のピラミッドの北側にセルタブと言う特別な部屋がありその中で発見されたもの。ジェセル王は最古の建造物を造らせたことで有名。4800年前に26年間ほどエジプトを統治した。玉座の上に座り冠とカツラを着けている。あご付けヒゲを付けて、口ひげを生やしている。目は水晶とガラスで象眼されていたが盗まれて無くなった。台座の前に神様の名前が象形文字で書かれている。

 

メンカフラー王と二女神立像
第三ピラミッドを造らせたメンカフラー王の立像。4640年前頃に閃緑花崗岩で作られたもので、その時代の高度な彫刻技術を示している。王の身体の特徴が綺麗に表されて、南エジプトの冠を被って、あご付け髭を付けて、スカートをはいていて、左足を1歩前に踏み出したポーズをとっている。足の前に王の名前が書かれたカルトゥーシュがある。
 第4王朝時代頃になるとセルフと言う宮殿の門の形に替えてカルトゥーシュを使い始めた。ハトホル神の像と地方の女神の像が王の両側立って守っている。

 

書記坐像
カイロの書記官の像と言う。4400年前に石灰岩で作られたもの。書記官は選ばれた人で王のメッセージを象形文字で書く人。アグラをかいて膝にパピルスの巻物を広げて右手に筆を持って書物をしている。筆は無くなっている。目は水晶とガラスで象眼され、化粧をしてかつらを着けている。書記官の像は沢山発見されたがこの像が一番綺麗とのこと。

 

カー・アペル像
日本の西郷隆盛に似ているエジプトの神官長の像。4450年前の第5王朝時代に作られた木製の像。スカートだけはいて、右手に杖を持っていたが今の杖は偽物である。水晶とガラスで象眼されている。

 

カフラー王座像

 

ラーヘテプ王子とネフェルト王妃の座像

 

カーム像
自分のミイラが盗まれたらあの世で復活できなので、これを心配して自分の身体の特徴を表す木造のカーム像(魂の像)を作ってミイラと一緒に墓中に入れた。特徴は頭の上の2つの手、丸まっている付けひげ、裸体で作られていることである。

 

牡牛像
石灰岩で作られたハトホル女神を示す牛の首の前に小さな王がスカートをはいて頭の上に獣の羽の冠を付けて立っている。

 

牡牛像
聖なる動物の保護下に居る事を表している。牛の右横を見ると、女王は聖なる動物の乳を飲むために足の間にいて乳を絞っている。

 

ハトシェプスト女王の頭部
色彩されたあご付けヒゲをしており、ハトシェプスト葬祭殿の処でも説明した様に男装をしていた様子が伺える。

 

セクメト女神像
雄ライオンの頭部と人間の身体を持つ女神像で、第18王朝のアメンホテップ3世時代にルクソールで作られ、ナイル川の東に建つムト神殿、西に建つアメンヘテプ3世神殿に置かれた。